活用事例

熱系及び電気系エレメントを使用した水温予測モデル

  • 2020/06/11
  • NISHIMURA masaharu
熱系及び電気系エレメントを使用した水温予測モデル

今回はThermics(熱)及びElectrical and Electronics(電気)ライブラリのエレメントを使用した事例を紹介します。

下図の条件にて、水1及び水2の温度を計算するモデルをSimulationXで作成します。

water_temperature1

上図の系は、Thermics(熱)及びElectrical and Electronics(電気)ライブラリのエレメントにより下図の様にモデル化出来ます。

water_temperature2

抵抗エレメントR1及びR2には、熱系エレメントに接続可能なポートは用意されていませんが(TypeDesignerで追加することは可能です)、各抵抗エレメントで計算された電力をHeat Flow Sourceに入力することで水の温度上昇を計算することが出来ます。

モデルの妥当性を確認する為に、まずは手計算で温度上昇量を計算します。

入力電圧をV、抵抗1及び抵抗2の抵抗値をR1、R2、水1及び水2の質量をm1、m2、水の比熱をCとすると、水1及び水2の温度上昇量は、

電流       : I = V/(R1+R2) = 0.333[A]
R1にかかる電圧 :V1 = R1 * I = 6.667[V]
R2にかかる電圧 :V2 = R2 * I = 3.333[V]
R1の電力    :P1 = V1 * I = 2.222[W]
R2の電力    :P2 = V2 * I = 1.111[W]
水1の温度上昇量 :⊿T1 = P1 * 3000[s] / (m1 * C) = 10.63[℃]
水2の温度上昇量 :⊿T2 = P2 * 3000[s] / (m2 * C) = 6.64[℃]

実際にモデルで計算した結果を以下に示します。
上で計算した温度上昇量と同じ結果が得られました。

water_temperature3

今回は非常に簡単な例を紹介しましたが、熱系及び電気系ライブラリには様々なエレメントが揃っておりますので、さらに複雑な系の解析も可能です。

以上、Thermics(熱)及びElectrical and Electronics(電気)ライブラリのエレメントを使用した事例紹介でした。

当ブログでは、電気回路モデル伝熱解析モデルの事例もご紹介しておりますので、是非ご参考ください。