活用事例

回転系のモデル化

  • 2020/03/27
  • NISHIMURA masaharu
回転系のモデル化

 MBS(Multi Body System)ライブラリのエレメントを使用したモデル化の事例が続いていますので、今回は回転系ライブラリのエレメントのみを使用した事例を紹介します。

例えば、下図の様なギヤとシャフトが一体となった部品はどうモデル化すればよいでしょうか?

shaft_gear_bearing
最も単純にモデル化する場合は、左下図のモデル化が考えられます。シャフトを支持するベアリングの引き摺りが無視出来ない場合は、右下図の様にモデル化してもよいかと思います。

shaftmodel1
また、シャフトを複数の要素に分割するモデル化の案もあるかと思います。

shaftmodel2

上記の様に色々な案が考えられますが、基本的には回転慣性、ねじり剛性及び減衰の組み合わせで回転系のモデル化が可能だということです。(実際には並進要素との組み合わせやシャフトの曲げ、ギヤやスプラインのガタ、摩擦等の非線形要素も考慮する必要があります)

上記の考えを基に自動車のエンジン~トランスミッション~タイヤまでを回転系のエレメントのみでモデル化した例を下図に示します(実際の開発でもこの様なモデルが使用されています)。

engine_transmission

上図のモデルを用いて、エンジンの燃焼によるトルク変動がトランスミッション内の振動としてどの位伝達したかをギヤ比違いで計算した結果が下図になります。回転系エレメントのみで非常に軽いモデルの為、部品が仕様変更された時の影響を短時間で予測することが可能になります。

vibration
自動車以外でも同様にモデル化が可能ですので、参考にして頂けたらと思います。
以上、回転系ライブラリのエレメントのみを使用したモデル化事例の紹介でした。

※可視化用のエレメントを使用すれば、上で示した振動をアニメーションとして確認することが可能です。是非お試しください。
mode1