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高度な降伏関数パラメータとFLCの算出ツール - ESI Mat-Wizard -

  • 2020/04/28
  • Hirotaka Kamiyama
高度な降伏関数パラメータとFLCの算出ツール - ESI Mat-Wizard -

皆様、こんにちは。

今回は、高度な降伏関数のパラメータを予測する"ESI Mat-Wizard"の機能についてご紹介します。

高精度な解析結果を得ようとする場合、使用する材料特性が再現性を向上させるための重要な入力データの1つとなります。その材料特性の中でも降伏曲面は重要な因子となり、3方向の単軸引張試験のみで求まる"Hill48"が非常に多く使用されています。

しかし、アルミ材、鉄鋼材においてもひずみが大きい場合は、Hill48では再現精度が満足されるものではないことがあります。また、Hill48よりも実材料に近い降伏曲面を表現可能な高度な降伏関数はありますが、それらのパラメータを求めるには、より多くの単軸引張試験を必要とする他に、2軸引張試験も必要な場合があり、パラメータを容易に取得できないことが課題っとなっています。そこで、PAM-STAMPの機能の一つである "ESI Mat-Wizard"が有効にご活用頂けます。

ESI Mat-Wizardは、Hill48のパラメータを算出するための3方向の引張試験から得られる3方向のr値と降伏応力比のみで吉田6次降伏関数やYLD2000-2d等の高度な降伏関数のパラメータを予測することができます。

下図にアルミ材による円筒絞りを解析した時の板厚減少率の結果を一例として示します。

ESI_Mat-Wizard_比較結果

Hil48(左)と吉田6次降伏関数(中)を比較すると、結果が大きく乖離していることが分かります。続いて、吉田6次降伏関数のパラメータを3方向の単軸引張試験からESI Mat-Wizardにより予測した場合(右)と、吉田6次降伏関数を材料試験(5方向の単軸引張試験と等2軸引張試験から算出)を行った場合(中)と比較すると、非常に近い結果が得られることが確認できます。

このように、3方向の単軸引張試験の情報しかない場合でも、ESI Mat-Wizardを用いることで高度な降伏関数のパラメータを予測すれば、容易に精度向上を実現することができます。

今回ご紹介した"ESI Mat-Wizard"について、少しでもご興味をお持ちになった方は、下記フォームよりお問い合わせください。

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