CEM OneのFDTDソルバーであるCEM-TDではデバイス形状や物性値の情報を暗号化した状態で全体モデルに組み込んで解析を行う事が出来ます。この機能によってデバイス情報を開示せずにシミュレーションに必要なデータの受け渡しが可能となります。
CEM-TD暗号化機能特徴
- デバイスの一部や全体など任意パーツの暗号化が可能
- 暗号化モデルの有効期限日を設定可能(期限日以降は組み込み計算不可)
- 暗号化したパーツと組み込み先パーツの近接配置が可能
- 組み込み側で暗号化デバイスの移動・回転が可能
- 組み込み側で解析周波数(給電波形)を任意に設定可能
- 組み込み側で給電位置を選択可能(暗号化モデルに複数の給電設定要)
- 組み込み側でインピーダンスや指向性、デバイスエリアを除いた電界分布などの解析結果を参照可能
レーダーデバイス暗号化解析事例
本事例ではレーダーデバイスのアンテナ基板部分のみを暗号化し、レドームやハウジング(ケース)は暗号化せずに組み込んでいます。これによって組み込み側では、デバイス周囲近接パーツの干渉有無を確認しながら配置する事が可能となり、ブラケットなどの近接パーツの形状検討が容易になるというメリットがあります。
デバイスの組み込みモデル
デバイス組み込み時の暗号化適用有無による解析結果比較
電界分布解析結果比較
上記のように本暗号化機能では、暗号化した場合でも内部的には計算条件が全く同じ設定のFDTD解析となりますので暗号化適用有無に関わらず結果は完全に一致します。
暗号化エリア内の電磁界分布や電磁界波形、モデル表面電流の結果については暗号化モデルの情報漏洩を避けるため、組み込み側では確認出来ない仕様となっています。