ISO11451-2やECE R10などのEMC規格で規定されている放射イミュニティの解析事例です。外部からの電磁波によって車室内ハーネス(ケーブル)に誘起される電流・電圧レベルを解析し、ハーネスに接続される電子機器の耐性評価を行う事が可能です。
解析手法と特徴
FDTD法とMTL<Multiple Transmission Line: 多導体線路>法(CRIPTE)を組み合わせた3D/MTL解析(カップリング)を適用しています。下記ではオーディオケーブル配線の事例をもとに解析設定とソフトウェアの特徴を紹介します。
- 外来電磁波照射設定
本事例では波源として平面波(垂直偏波)を照射していますが、ログペリオディックアンテナやバイコニカルアンテナなどを設定する事も可能です。(複雑なアンテナはモーメント法とカップリングして設定する事も可能)
- 車両とハーネス経路ライン
STLやさまざまなCAD形式などでインポートした車両データとハーネス経路(中心線:IGES形式など)
- ケーブル設定
ケーブル毎の導体寸法・材料、被覆寸法・物性値、シールドなどを設定
ケーブル経路:インパネ近傍のオーディオアンプ位置から、前後左右4つのスピーカー位置まで2本づつ計8本のケーブルを設定
- ケーブル終端設定
ケーブルの終端に等価負荷を設定(RLC)
- 車両のFDTDメッシュ
メッシュサイズ:2cm×2cm×2cm
並列メッシャー、ケーブル干渉要素自動削除機能