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型変形を考慮した成形解析    「型変形カップリング解析」

  • 2020/07/09
  • Hirotaka Kamiyama
型変形を考慮した成形解析    「型変形カップリング解析」

皆様、こんにちは。

 

本日は、PAM-STAMPの標準機能の一つである型変形を考慮した成形解析「型変形 カップリング解析」についてご紹介します。

 

軟鋼板をプレス成形した時の金型の変形については、リストライクやベンド等の後工程成形は勿論のこと、最も成形荷重が大きい絞り工程においてもほとんど発生しません。

これは軟鋼板の引張強度が270MPaと低いため、大きな成形荷重を必要としないからです。

そのため、精度対策を行う際にも成形により発生するスプリングバックに対して見込みを行うのみで対処できるケースがほとんどです。 

一方、引張強度が980MPa以上となる超高張力鋼板では、軟鋼板による成形よりも非常に大きな成形荷重が必要になります。

そのため、金型全体を鋳物で製作してしまうと金型が変形してしまいます。

また、金型の変形を抑えるために部分的に鋼材を使用した場合でも、型構造によっては変形を抑えられないことがあります。

超高張力鋼板はスプリングバック量が非常に大きく、さらに型変形による精度不良も発生するため、精度改善を行うためにはスプリングバックと型変形の両方を加味した型製作が求められます。

今回ご紹介する型変形カップリング解析では、成形中に発生する型変形を考慮した成形解析を行うことができます。

型変形カップリング解析_例

型変形カップリングは、以下のような目的でも活用することができます。

〇 型の疲労破壊の防止                            高張力鋼板用の金型や自動車外板部品のフランジ成形刃同士のラップ部(グースネック)に生じる応力を確認したい場合

〇 型の強当て                                面ひずみ対策として、デフォーム発生部を意図的に強く当てる成形をシミュレーションで再現したい場合

〇下死点の成形状態の確認                          型が逃げることなく下死点までしっかり押し切ることができるか確認したい場合

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