PAM-SMCの成形解析により得られる繊維配向テンソルは、ESIの構造解析ソフトウエアVPSへ引き継ぐことができます。
成形解析と構造解析のモデル間で繊維配向テンソルのマッピングが実行され、構造解析モデルではマイクロメカニカル均質化による局所材料特性が計算されます。
下記は、成形解析効果の考慮あり・なしの違いです。
成形解析考慮なしでのヤング率E11は均一値10.817GPaであるのに対し、成形解析考慮ありでのヤング率E11は6.052~16.806GPaの偏りが発生していることが確認できます。
下記は、圧縮負荷をかけた際の変形アニメーションです。
成形解析を考慮しない場合はパン部で材料が破断するのに対し、成形解析を考慮する場合はフランジ部で材料が破断する違いが確認できます。
成形解析考慮なし:パン部で材料破断
成形解析考慮あり:フランジ部で材料破断
バッテリーボックスのように破断する部位によって液漏れ危険性へ影響する部品では、成形解析の考慮が重要であると言えます。
今回は、PAM-SMC繊維配向の構造解析への引継ぎのご紹介でした。