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PAM-FORMによる連続繊維基材賦形の特徴

  • 2020/03/05
  • Yoshihiro Aono
PAM-FORMによる連続繊維基材賦形の特徴

今回はPAM-FORMによる連続繊維基材の賦形解析をご紹介します。

PAM-FORMでは、Shell要素を積層して計算することにより、各Plyの繊維配向・シワ、Ply間のすべり・剥離など、Plyレベルでの計算結果を得ることができます。
下図は、Shell要素を4Plyでスタッキングしたモデルのイメージです。
積層イメージ

連続繊維は、繊維0/90°方向は剛性が高いのですが、繊維45°方向は極端に剛性が低くなります。
また、面内方向の変形(引張)に対し、面外方向の変形(曲げ)は極端に剛性が低くなることも知られております。

この連続繊維の特徴を捉えるために、PAM-FORMでは各層に繊維方向を設定し、繊維方向別に引張・せん断・曲げの機械特性値を定義することができます。連続繊維
以下は、球頭絞りにおける0°層と45°層の賦形アニメーションです。
実際の解析では4Plyの積層で計算していますが、わかりやすくするため、1Plyずつ表示しています。上が0°層、下が45°層です。

0°層はXY軸方向に大きく引き込まれています。一方で、45°層はXY軸での引き込まれ量は小さくなっています。

 

以下は、最終繊維配向図です。繊維0/90°方向の変形に対しては、繊維配向角がほとんど変化していないのに対し、繊維45°方向は繊維が大きくせん断変形し、繊維が交差している現象を捉えています。
金属や樹脂のような均一材料には無い、連続繊維の特徴的な挙動がシミュレーションで再現されております。

fiberdidrection

以上、賦形解析の紹介でした。