OpenFOAM

OpenFOAMの放射計算 fvDOMの

  • 2022/03/24
  • 日本ESI
OpenFOAMの放射計算 fvDOMの

OpenFOAMをはじめとして,放射伝熱計算に使用される手法の一つにvfDOMがあります.

このブログでは,fvDOMでの方位角と極角方向の分割数について,簡単な形状で検証した結果をご紹介します.

方位角と極角は下図のように定義されています.

OpenFOAMでの入力は ../costant/radiationProperties に行います.

nPhi とnThetaの数値を変え,結果への影響を確認します.

検証モデルは,矩形の中心に高温条件の球体を配置して,各壁面への放射強度の分布で検証してみました.

 ケース①   (nPhi  3,nTheta   3)

上下面の分布がドーナツ状になります.

 ケース②   (nPhi  5,nTheta  5)

上下面のドーナツ形状の分布は解消されましたが,側面の分布と差異があります.

 ケース③   (nPhi  6,nTheta  6)

上下,側面もほぼ同様の分布の結果となりました.

共に6,特に,nTheta は5以上設定が妥当と判断できます.

 ケース④   (nPhi  10,nTheta  10)

自然な分布と判断できますが,計算負荷が高くなります.

そこで,nPhi とnThetaに異なる値で検証してみました.

 ケース⑤  (nPhi  6,nTheta  3)

予想通り,妥当とは言えない分布となります.

 ケース⑥  (nPhi  3,nTheta  6)

放射熱伝達の計算に求める精度によりますが,計算負荷を考えると,まあ,妥当な設定かと判断できます.

モデルの設定条件で計算精度が変わるのが,CAEの常ですが,fvDOMでの計算を行う際の入力値決定の参考になればと思います.