今回は前回に引き続きドライブトレインのサンプルモデルを見ていきます。
上のモデル図で変化しているのは赤線で囲った部分です。前回の結果に於いて"エンジン回転数"のグラフを見るとブレーキが掛かって停止する時刻凡そ77sec時辺りからエンジンは負になっている。つまり逆回転をしてしまっています。
これはブレーキを掛けた事によりエンジンシャフトに逆向きのトルクが生じ、そのままの勢いで通常の回転方向とは逆に回ってしまうという事態になってしまったものです。当然実物ではそんな状態になることはありませんのでモデルとしては不完全ということになります。
そこで、今回のモデルではidleSpeedに入力された回転数(700rpm)を下回らないようにidleSpeedControllerによるPID制御を行う部分を追加しています。
(左図:アクセル,ブレーキペダル操作 右図:選択ギア)
上図のようにペダルワークやギアについては前回モデルと変化はありませんが、
(左図:エンジン回転数 右図:車両速度)
上左図の緑線で囲った部分の様に700rpmを下回ることなくアイドリングが行われている状態となり、より実車に近い状態を再現しています。
このモデルでは停止する際にクラッチは繋がっています(左下図)。しかし、ギアは0(=N:ニュートラル)になっている為、右下図の様にトランスミッション内部で伝達が切れているという状態になっています。
(左図:クラッチステータス 右図:トランスミッション入/出力側回転速度)
もう15年以上MT車には乗っていないので、クラッチとニュートラルの関係?と昔を思い出しながら動力の伝達状態を想像してみました。