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球体の自由落下(2)

  • 2016/12/06
  • WATANABE Tomoo
球体の自由落下(2)

前回のブログで新しいバージョンであるSimulationX3.8について紹介を致しましたので、今回からはこちらのバージョンを用いて記事を書いていきたいと思います。

さて、本バージョンに於いてもライブラリやエレメントが新規に追加されたり改良されたりとご案内しましたが、その中の一つで以前にサンプルモデルとして紹介しました球体の自由落下について別のモデル化も出来るようになりましたのでご紹介します。

新しく加わったライブラリの一つとしてMechanics/Linear MechanicsのContact Elementsライブラリがあります。これにより2つの部位に関する接触(跳ね返り及び摩擦)を容易に考慮することが可能です。

モデルのダイアグラムビューは上図となりますが、今回のモデルで変わったのは新しく追加されたcontactのエレメントと球体の回転を考慮するためのinertiaZがあることです。これにより階段と接触した際に進行方向に対して摩擦が生じることで球体が回転するようになります。

全体の動きとしては次のようになります。

1.球体は視覚的に確認するための"mass"エレメントに対してX,Y,Z軸に関する移動及び回転が"massX","massY","inertiaZ"エレメントにより計算される。X方向には初速度が、Y方向には"gravityForce"により重力がかかっている。BallRigidwCNT_3Dimg.jpg

2."contact"エレメントには階段の外形(stairsにより視覚化)が入力されており、この範囲に球体が接触するとY方向の跳ね返り、X方向の加減速、Z軸回りの回転速度が変化していく。(上図の3Dビューでは球体が落下途中で回転しているのが見て取れる。(赤,緑,青の矢印))

BallRigidwCNT_result.jpg

これにより上左図の様な球体の移動軌跡や上右図の様なZ軸回りの回転挙動を確認することで、前回の実際には接触を考慮していないモデルに対して摩擦や球体の回転に因る影響を確認することが可能です。