活用事例

3Dシミュレーションとの連成解析が有効なケース

  • 2020/07/27
  • NISHIMURA masaharu
3Dシミュレーションとの連成解析が有効なケース

6/23の記事に引き続き、機構応力解析ソリューションVPS Medysaとの連成解析に関するお話です。

今回は、3Dシミュレーションとの連成解析が有効なケースについて、CVT(無段変速機)を例にご説明します。

今、CVTを搭載した自動車のシミュレーションを実施したいとします。
エンジン~タイヤまでの構造を下図に示します。

cvt

ロックアップON、前進且つ直進状態、プーリ-ベルト間の滑りはなし、とした場合、下図の様にSimulationXでモデル化出来ます。

cvt_SX1

このモデルでは、例えば、燃焼爆発によるエンジントルク変動や加速時のエンジントルクの急変化、またはモータトルクの急変化による発生する駆動系のねじり振動が予測出来ます。これにより、搭載部品の慣性モーメントやばね剛性等のハード側の検討だけでなく、モータで振動を抑制する為の制振制御等のソフト側の検討が可能になります。

cvt_SX2

しかし、ここで、特にベルト&プーリに着目し、それらの弾性変形を考慮したシミュレーションを実施したい場合、どうすればよいでしょうか?

belt_pulley

ばね剛性や摩擦要素でベルトの変形やプーリに対するスリップを考慮し、簡易的に検討することは可能ですが、それらはあくまで簡易的なもので限界があります(逆に全てをFEでモデル化してしまうと、計算時間やモデル化に時間がかかってしまいます)。

この様に 大部分の機構は剛体で問題ないが、ある一部分だけは弾性体で詳細にモデル化したい ケースでは、3Dモデルとの連成解析が有効です。

今回、下図の様に ベルト&プーリを3D、それ以外を1Dでモデル化し、連成解析を実施しました。cvt_SX3

アニメーション及び時間軸波形を 機構応力解析ソリューション Blog に掲載しておりますので、是非ご覧ください。