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Scilab使用例(6) -グラフ描画(2)-

  • 2020/11/16
  • WATANABE Tomoo
Scilab使用例(6) -グラフ描画(2)-

 色々なシチュエーションを想定し、使えそうなスクリプトをご紹介していきたいと思います。
 "グラフ描画"シリーズを複数回に渡ってご紹介していますが、今回は「グラフへの装飾追加」です。

 前回までの記事(1, 2, 3)では2D/3Dプロットのコマンド及び描画イメージをご紹介しましたが、これだけではその場で確認するだけなら良いですが、他の人に見せたり資料に掲載するには不親切です。そこで今回はプロットに付加する装飾についてご紹介いたします。

<Example>

 

x1 = 0:0.1:10;,x2 = 0:1:10;
y1 = sin(x1);,y2 = sin(x2);y3 = cos(x1);
plot(x1,y1,x2,y2,"+",x1,y3);

 

 上を実行すると、下左図の様に一本の曲線とX軸が整数となるところではマーカーが表示されます。これは"+"で指定したためで、この様に線種、マーカー及び太さ等を初めから指定する際にオプションとして " 或いは ' で描画記号を囲みます。各記号には意味がありますので(ヘルプを参照)それらを組み合わせて入力します。(なお、一つのplotコマンドで2つのプロットを描画していますが、plotコマンドではこの様にx,y,オプションの組み合わせを連続入力することで一気に描画することが可能です。)

 さて、先にプロットを描画していた場合等、後からプロットウィンドウ上に変更を加えるときは、"Key"と"Value"を組み合わせて実行することが基本となります。例えば、先程の例に対して
<Example>
gce.children(3).thickness = 3;

と、実行すれば下右図のように描画した(3)のインデックスが付いたプロットの線が太くなります。ここで(3)が付いたのはy1 = sin(x1)ですが、これは描画された順に番号が付けられるのではなく、新しいプロットが描画される度に古いものの番号が順に送られていくと考えてください。すなわち(2)はy2 = sin(x2)で、(1)はy3 = cos(x1)になっているということです。


 この様にプロットを指定した上で、変更したいプロパティを入力することで自由に表示様式を変えることが可能です。

 ここで大事なのは、このプロットウィンドウがもつプロパティの階層についてです。プロパティは大きくわけて4つの階層に分かれており、
ウィンドウ(gcf)-軸(gca)-グラフ(gce)-データ
と言った具合です。ですので、
<Example>
gcf.figure_name="My Figure";
gca.font_size=4;
 と、実行すれば下図のようにウィンドウの名前として"My Figure"、プロット両軸のフォントサイズを大きくするようなことが可能です。

 
 


 どのようなプロパティが変更できるかについてはそれぞれのヘルプ(gcf, gca, gce)を御覧ください。

 またプロットについては順番に掘り下げた記事を掲載していきたいと思います。