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Scilabの'超'基本操作3

  • 2020/08/11
  • WATANABE Tomoo
Scilabの'超'基本操作3

 前回に引き続き行列の様々な入力或いは編集方法について述べていきたいと思います。

 恐らく必須の使い方となります":"の使い方から初めましょう。
":"の用途は3種類あり、記述方法により等差数列, 範囲指定, すべてを選択と使い分けられます。それぞれの例として、

A=[1:2:10]; は初項1, 公差2, 上限10の等差数列を作成します。この数列は1, 3, 5, 7, 9, 11・・・と続きますが、上限は10となっているので9までが変数Aに格納されます。このように3つの数値を":"で区切ることにより等差数列の入力として用います。

B=A(2:4); は変数Bに行列Aの2から4番目の要素を格納するという意味になります。すなわち2つの数値を":"で区切ることにより、何番目から何番目という範囲を指定します。言い換えれば公差1の等差数列を作成しているのと同じ意味{(a:b) == (a:1:c)}になります。
また、この様な入力により行列Aにある要素を抽出するという使用方法となります。

C=A(:); と入力すれば変数Bに行列Aの全ての要素を格納するという意味になります。すなわち単独で用いられる":"は等差数列の初項から最終項までを指定するのと同じ意味{(:) == (1:1:$)}になります。

ただし、AとBは1行行列ですが、最後のCのみは5行1列になってしまいますので、

C=A()'; と"'"を後ろに付けることにより転置行列(行/列を入れ替える)を作成しますので、行列Aと同じになります。

この様なコマンドを組み合わせてデータを作成や編集を行っていくことになりますが、次回はもうちょっとだけ行列の入力や演算方法について補足していきます。