CEM Oneとは
ESIが提供するCEM Oneは、電磁波関連機器・部品の解析設計を支援する高周波電磁波解析専用ソリューションです。
電波を利用した機器の増加やさらなるEMC規制など増え続ける電磁波問題に対して、CEM Oneは開発・設計から試験・検査まで強力に支援します。
用途に応じた最適なソリューションをご提供
シミュレーションでは、モデルに対応して適切に解析手法を選択する事によって、効率的に解析を行う事ができます。
CEM Oneでは、FDTD(有限差分時間領域法)、MoM(モーメント法)、PTD(物理光学的回折理論法)、CRIPTE(BLT法)等さまざまな解析手法が選択可能で、さらにカップリングやハイブリッド、MDMM(Multi Domain Multi Method)手法を駆使して最も効率の良い解析環境を提供します。
FDTD解析ソリューション
(PAM‐CEM/FD)
FDTD 法は時間領域の解析手法であり電波の伝搬アニメーション表示が可能で現象の直感的な理解に役立ちます。メッシュ形状が格子状なのでデータクリーニングの手間が無く簡単に解析モデルの作成が行えます。また、モーメント法とのカップリング解析機能で大規模モデル全体の計算負荷を低減することが可能です。ケーブルシミュレーターであるCRIPTE と併用することで、複雑な配線を含む全体のシミュレーションに対応します。
MoM解析ソリューション
(Efield)
MoM 解析ソリューションでは周波数領域のMoM,MLFMM, POといったソルバーを複数備え、ハイブリッド計算手法やMDMM(Multi Domain Multi Method)計算手法によって効率よく解析が行えます。材料の境界面に2D 要素を配置(サーフェスメッシュ)してモデル化するため、曲面を持つモデルでも比較的少ない要素で形状再現が可能です。MBF(Macro Basis Function)機能では大規模なアレーアンテナの計算負荷を大幅に削減する事が出来ます。
PTD解析ソリューション
(PAM‐CEM/HF)
PTD 手法を採用した周波数領域の高周波近似電磁波解析ソフトウェアです。FDTD 法やモーメント法などのフルウェーブ解析手法では計算が困難な、波長に対して大きな解析対象を計算するのに適しています。加えて波長に対してメッシュサイズを大きく設定出来るため、少ないメッシュ数で計算時間を大幅に短縮出来ます。材料は金属部品だけでなく、積層した樹脂部品の取り扱いにも対応しています。
使いやすい優れたGUI、強力なインターフェイス
ESIの統合GUIプラットフォームVisual Environmentに対応し、モデルのインポート、クリーニング、解析条件設定、メッシュ作成、計算実行、結果表示まで、一つの環境で行えます。
車載レーダー解析
■後方レーダー
車線変更レーダー解析
バンパー形状による電波放射の違い 1
バンパー形状による電波放射の違い 2
■前方レーダー
モーメント法とPTD法のカップリング解析
3D指向性解析結果
前方車両からのレーダー反射波
グリルを透過するレーダー波
グリルがレーダー指向性に与える影響
■検知車両からのミリ波レーダー反射波
PTD法による高周波大規模解析
EMC解析
車載アンテナの指向性解析
eCall アンテナ
GPS アンテナ
アンテナ設計
機体のIFFアンテナ
コルゲートホーンアンテナ
コンフォーマル・アレイ・アンテナ
AESAレーダー
RCS解析
■詳細モデリング対応
全体モデル
表面電流
カップリング境界
内部問題
外部問題
■大規模モデル対応
表面電流分布(PTD)
表面電流分布(MLFMM)
近傍電界分布(PTD)
Mono-static RCS比較
(PTD vs. MLFMM)
マツダでは、CEM ONEの導入により、高い精度の電磁波シミュレーションを実現することができました。この先、クルマの 研究開発において、電子制御の重要性はますます高まるでしょう。電子実研グループでは、今後も、工夫と研鑽を重ね、電磁波制御の側面から、より良いクルマづくりに貢献したいと考えています。
マツダ 車両開発本部 電子開発部
浜田康氏