CISPR12やECE R10などのEMC規格で規定されている放射イミュニティの解析事例です。車室内ハーネス(ケーブル)上の任意位置(電子機器の接続部など)にソース(電流、電圧)を給電し、車両外部へ放射される電界強度レベルの評価を行う事が可能です。
解析手法と特徴
FDTD法とMTL<Multiple Transmission Line: 多導体線路>法(CRIPTE)を組み合わせた3D/MTL解析手法(カップリング)を適用しています。車両の放射イミュニティ解析とはFDTDとMTLを実行する順番が逆となります。
放射イミュニティ:FDTD⇒MTL
放射エミッション:MTL⇒FDTD
本事例では車両の放射イミュニティ解析と同じオーディオケーブル配線の事例をもとに解析設定とソフトウェアの特徴を紹介します。
- 金属(PEC)の車両モデルと内部ケーブル設定
ケーブル終端には接続される電子機器相当の負荷を設定、またケーブルタイプ(シールド、ツイストなど)と断面寸法、物性値を設定します。
本事例のオーディオケーブル配線では、アンプから前後左右のスピーカーに2本づつ計8本のケーブルが設定されています。
- ケーブルへのソース(給電)設定
本事例では、アンプに接続されている8本のケーブルのうちCable1だけに30MHz~1GHzの電流を印加しています。
電圧給電や複数印加ケーブルの設定も可能です。
- MTLによるハーネス電流解析結果
上記ソースによるケーブル間クロストークを考慮した周波数ごとのハーネス電流コンターとグラフ(右グラフは左図矢印位置での電流値dBA)
- FDTDによる近傍放射電界解析結果
ハーネス放射による近傍電界分布(500MHz)
- FDTDによる遠方放射電界解析結果
FDTD解析領域外の電界分布(500MHz)
エミッション規格やアンテナ放射距離などの解析に有効な機能です。
- その他のFDTD解析結果
表面電流分布や3D指向性などの出力も可能です。
- 計算仕様
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自動車の放射エミッション解析
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モデル名
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vehicle_harn_emis
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総セル数
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4,777,188 (271*156*113)
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Time step (dt)
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0.38489992E-10 s
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サイクル数
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50,001
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吸収境界
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PML(R0=0.01)
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使用マシン、CPU
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Windows 10 Enterprise
Intel(R) Core(TM) i9-8950HQ CPU @ 2.90GHz 2.90GHz
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CEM3D Ver.
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MPP_2.3.3
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Memory (計算)
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1358 MBytes
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CPU time (計算)
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1.51 Hr. (4 processors)
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