電磁波解析ソリューション Blog

ガラスアンテナ簡易モデル化機能

作成者: TSUCHIYA Toru|2018/10/03

自動車のガラスアンテナを解析する場合、ガラスの積層やエレメントパターンの複雑さを考慮してモデル化するためにメッシュ数が多くなり計算負荷が大きくなります。CEM Oneのモーメント法ソルバーでは、複雑なガラスアンテナを簡易的にモデル化する事によって計算負荷を削減する事が可能です。簡易モデル化機能は2つ用意されておりますので、通常のモデル化と比較して紹介します。

ガラスアンテナモデル化機能

  • Fullモデル:通常のモデル化(ガラスを陽的にモデル化)

  • PSGモデル:ストリップ要素でガラスの影響を等価的に考慮



  • PSWモデル:被覆付きワイヤとしてガラスの影響を等価的に考慮

 

機能確認モデル


 下記モデルを使ってFullモデルと簡易モデル化機能の比較を行いました。

 

 

 

 

 

出典:F. G. Bogdanov, D. D. Karkashadze, R. G. Jobava, et al.  ”Validation of Hybrid MoM Scheme With Included Equivalent Glass Antenna Model for Handling Automotive EMC Problems” IEEE TRANSACTIONS ON ELECTROMAGNETIC COMPATIBILITY, VOL. 52, NO. 1, FEBRUARY 2010

 

メッシュモデル比較

  • Fullモデル
  • PSGモデル
  • PSWモデル


解析結果比較

  •  S11(ケーブルの入力インピーダンス)結果比較


  • S22(ガラスアンテナの入力インピーダンス)結果比較


  • S12(ケーブルとガラスアンテナのカップリング)結果比較


  • 計算時間比較(57周波数計算)
      Full model PSG model PSW model
    Memory (MBytes) 799.3 156.1 122.3
    CPU time (16 proc.) 4 Hr. 21.2 Min. 3.8 Min.