電磁波解析ソリューション Blog

車載 準ミリ波レーダー解析

作成者: TSUCHIYA Toru|2018/02/28

自動車のADAS(先進運転支援システム)やAD(自動運転)の機能であるBSM(ブラインド・スポット・モニタリング)やRCTA(リア・クロス・トラフィック・アラート)などで使用されるサブミリ波(24GHz)を使ったレーダー解析事例です。

解析手法

本事例では、モーメント法とFDTD法を組み合わせて解析(カップリング)を実施しています。初めにモーメント法でアンテナ(レーダーデバイス)を詳細解析し、次にFDTD法で樹脂のバンパーカバーとその塗膜をモデル化して全体を解析しています。

※塗膜のモデル化については「樹脂塗膜のモデル化機能」記事で紹介しています。

 

3D3Dカップリング手法の利点

本カップリング手法には下記のようなメリットがあります。

  • 計算資源の削減
     個々のメッシュ数が大きくならないため、計算時間・メモリ使用量が節約可能。
     特定周波数のアンテナ単体解析など小規模モデルではモーメント法の計算が速い。
     電気長の大きな構造物にFDTD法を使う事による、リーズナブルな計算時間、メモリ使用量。
     (本事例:約30 min<4proc>、約3GB)
  • 解析精度の向上
     アンテナ解析にモーメント法を使う事による詳細形状を再現した解析
     アンテナ傾斜取り付け時のFDTD階段近似による精度劣化回避
  • 配置検討の容易さ
     
    アンテナの配置、角度など変更の場合も、FDTD計算のみで対応可(アンテナ解析は必要なし)

 

カップリング手法ならではの機能

カップリング手法ならではの機能として、アンテナからの放射を一周期に限定する事が可能で、バンパーカバーなどからの反射も視覚的に確認する事が可能です。


 

さらに、PO法と組み合わせる事によって、簡易的に解析領域外にある路面やガードレール、別車両からの反射も視覚化する事ができます。